新規就農秘話① まえだ
奈良いちごラボってどうやってできたの?
色々な人から良く聞かれます。
非常に個性的なイチゴ農家が5人集まって化学反応し、過去にない ブランドを作り上げるまでのストーリーを書こうとおもいましたが、その前にそれに至るまでの自分の新規就農ストーリーを書いていこうと思います。
私が新規就農してイチゴを作り始めたのは今から8年前でした。
当時は農家の高齢化や自給率の低下が騒がれだし、その流れで新規就農という農外の人達が農家になる形が推奨されていました。
40歳になって「よし!就農しよう!」と思ってから色々調べ、役所や農林課などに話をしたのが10年前でした。
当時はタイでバイオや栽培技術の指導へ行っており、月の半分はタイにいる状況でした。
自分で農業はしてませんでしたが、植物の専門知識はありましたし、海外での指導経験もあったので楽勝だろうと思って相談しました。
ですが、相談の反応はネガティブなものばかり…
海外行きながらできるわけがない、自己資金ないと厳しい、イチゴの経験なければできるわけがない等、肯定的な話はほとんどありませんでした。
そのネガティブな対応で挫折する人も多いようでしたが、自分は逆に燃える性格で「よっしゃ、それなら絶対就農してやる」と練りに練った就農計画を作っては出し、指摘されては修正し、数十回そんな事を繰り返しながらなんとか新規就農計画を通して融資や補助が受けれところまでもっていきました。
土地の確保も大変でしたが、バラを生産していた中古のハウスを修繕して作る事にし、観葉植物とイチゴを作るという今考えたらバカみたいな形で就農しました。
何の作物で新規就農しようかと色々悩みましたが、長い海外生活で日本のイチゴのポテンシャルを感じており、自分のもつ育種・バイオ・育苗・貿易などのノウハウがフルに生かせる品目としてイチゴで就農する事に決めました。
それと素人考えでイチゴは春から秋にかけて出荷がなく、育苗しかすることがないのでその間別の作物を作ろうと考えました。
今となればイチゴを全く知らない素人考えで、今なら絶対やらなかったです!
春から夏の間はタイでみつけた珍しい観葉植物のバイオ苗を生産し、タイである程度まで大きく育てた苗を自分で輸入し、奈良で鉢上げして短時間で完成品まで仕上げ花き市場へ出荷するという形である程度花き市場でも注目されました。
その傍らイチゴの苗作りを見よう見真似でしましたが、良い苗などできるわけもなく、作業量も多すぎでどっちつかずになり、どちらもうまくいかなという情けない形での新規就農スタートでした…
続く!