新規就農秘話② 白イチゴ育種(まえだ)
新規就農して最初の3年ぐらいは全く思う通りにできず、色々うまくいかない時間でした。
イチゴの作り方を誰にも教わらず、自分の今までの経験や知識で何とかなると傲慢にも考え失敗の連続でした。
今となっては良い経験ですが、しなくても良い経験でもありましたねー
イチゴをやろうと決めた時、育種するノウハウがあったのでまずオリジナル品種を作ろうと考えました。
どんなイチゴを作ろう…
無名で何の実績もない自分が普通の赤いイチゴを作ったとて誰が認めてくれるだろう…
よし、だったら白いイチゴを作ってやろうと思い立ちました!
ちょうどその頃ヨーロッパでパインベリーという白いイチゴが発売されて話題になっています。
このイチゴは自然の中で交配されて生まれた雑種で、オランダ人が復活させたイチゴでした。
イチゴって実は赤いものだけでなく、自然には元々白いイチゴがありました。
それが人間の手による交配と選抜の中で、美味しいものだけが残り、白いイチゴは淘汰されていました。
時代の移り変わりというか、味だけでなく見た目も価値として認められる時代になって初めて白いイチゴの価値が認められるようになりました。
その当時はそんな時代を予感しながら、パインベリーを見て「白いイチゴは絶対時代のニーズとして必要とされる!特に海外で!」という想いで開発に取り掛かりました。
その時は農地も持ってなかったので、実家の鹿児島の畑で播種した苗を育てて白になるかドキドキしながら育てたのを覚えてます。
最終的にNo.3とNo.11の2個体が残り、味は良いが果皮が柔らかいNo.3にするか、味も良いが果皮がしっかりしたNo.11にするか迷った末にNo.11を最終的に選びイロハ-001として品種登録申請しました。
あえて名前を付けなかったのは、ニーズに応じて色々名前を変化させて色んな場面で使って欲しかったからですが…これが後から色々すったもんだある原因になりました。
続く!